忘れられた日本人・私編

たぶん日本一暇なカフェ「ごまやんカフェ」は、その名の通り暇である。が、居心地はイイ(らしい・・)。滞在時間3時間という若い女性もおられたし、老若男女の分け隔てなく1時間程度はざら・・そんな中、昨日はシャキッ!としたおじいちゃんが・・

戦争が終わったんは15歳の時やった。気のええ、学校の先輩らが戦地に行ってみ〜んな帰ってけえへん。しゃ〜から、ボクも特攻隊に志願しよ、あったり前のようにそうおもとった。

ほんなら戦争が終わってもうた。親爺は海軍やった。死んだおもとった。昭和23年やった、ガリガリになって突然帰ってきよった・・里の富山で養生して、体力が回復して、おやじと二人で建築業を始めたんや。

よ〜う儲かったわ。儲かったけど、親父とは仕事の仕方でようもめた。しゃ〜から、独立した。独立しても、時代がよかったんやな。よ〜う儲かったわ。大阪万博(1970年)のころまでは、一直線に伸びたで・・

一直線言うたら思い出したけど、昔は梅田を過ぎて尼崎あたりまでは車も少ないし、道路はだいたい一直線や、しゃ〜から、買いたてのフォード・ムスタングで、新地のお姉ちゃん乗せてぶっ飛ばしたった。

ムスタングは、よ〜よ〜スピード出よったで。どうやろな〜・・ある時は、200キロほども出したんちゃうか・・一台目はグレー。二台目のムスタングは濃紺やった。よ〜目立ったで。よ〜遊んだで。寝る間を惜しんで仕事もしたしな。

しゃ〜けど、もう85や。遊び友達やったやんちゃらも、み〜んな死によった。儲かった時のお金で買うたマンションで娘婿らと同居してるけど、気〜つかうしな・・カラダの為や、よう散歩すんね。足の老化防止にもええしな。寝たきりなったらあかんやろ・・ボク、ゴマ好きやねん・・ちょくちょく来るわ・・

高度成長期の群像・・宮本常一の不朽の名作「忘れられた日本人」・・例えば「土佐源氏」などにあるように、それら物語は・・当時すでに消え去ろうとしていた地域や集落、仕事や風俗を、かすかな“風の便り”をもとに、現地に赴き、詳細な聞き取りの中で、その物語を書き起す作業だった・・

宮本常一の不朽の名作「忘れられた日本人」・・「場所と人とが一体化し存在している」・・それが、何にも増して重要であった・・ところが・・IT革命を経て、通販などのネットビジネスやスマホ社会が普遍化した今日では・・「関係性が場所を飛び越える」存在になってしまった。

だから、大都市の中でこそ、より一層リアルな「ひとり」を強く感じる・・衰退社会の「忘れられた日本人」・・宮本常一なら、どのような物語を編み、表現するだろう?
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たぶん日本一小さな宿・街角のペンションLee/The LEE Osaka downtown 古本みたいなホームページhttp://www11.ocn.ne.jp/~pen-lee/     http://pension-lee.net/   たぶん日本一暇なカフェ「ごまやんカフェ」も営業中! 営業時間・昼ごろ〜19時ごろ/定休・火曜日(休日の月曜日も)