京都、大阪? どっちやねん(その8)

京阪七条のホームに特急が滑り込んできた。このペンションに近い、大阪・天満橋まで約45分・400円ポッキリ。大阪の地下鉄一区間料金は、一駅乗っただけでも200円取られるので、はっきりいって安い。それに京阪特急の車両は驚くほどデラックス。すべての特急がそうではないが「ダブルデッカー(二階建て車両)」まである。

この特急にはじめて乗る“旅人”は、ほぼ例外なく、その豪華さに、「えっ? これって特急料金不要なの?」と目ん玉をクルクルさせる。400円で乗せてもらうのは気が引けるような気がするが、阪急の特急やJRの新快速と熾烈な競争やってるから、そこんところは企業努力の賜物・・

七条を発車し車両が地上を走りだしてすぐ、紅葉の名所・東福寺。全国のお稲荷さんの総代表!・・伏見稲荷。「安土桃山時代」の伏見城付近を通る。ハッキリ言って・・京阪特急が走るこの沿線はニッポン観光の最大最高のゴールデンルートだ・・間もなく特急は、木津川・宇治川桂川三河(さんせん)合流地点に差し掛かる。

それぞれの鉄橋が美しく、大きく弧を描きカーブするレールは、さながら京と大坂の「歴史絵巻」を楽しむ「観光列車」の趣。桜もたくさん! この京阪特急が快走するルートは、往時の京と大坂を結ぶルート上、それをそっくりそのまま走ってる。圧巻! いつ乗っても楽しい!

石清水八幡宮を過ぎると峠道のようにくねくねし、木々が迫ってくる。三河(さんせん)が合流し大きくなった川筋・淀川のはるか向こう岸は、あの天王山。ここを抜けるともう大阪・・こりゃ、やっぱり京と大坂に境目などないわい・・特急が大阪に入るとスグに樟葉(くずは)に停車する。

この駅には、10代から二十歳のころの思い出がいっぱい詰まってる・・回り道は止めにしてっと・・樟葉付近から眺める淀川はきれいだ。沈みゆく夕陽の時刻が特にきれいだ・・車窓からぼんやり夕陽を追っかけていると、いつのまにか枚方(ひらかた)。

枚方を過ぎると特急の車輪とレールが「キーン、クゥォーン」と鳴き声をたてて、そろ〜、っと走る・・東海道五十三次に隠された、もう一つの宿「枚方の宿」だ・・その街道筋・・家並みのスグ横を走るから、「キーン、クゥォーン」と鳴き声をたてて、そろ〜、っと走る・・

おっと、と・・忘れてはいけない・・特急は、あの!「ひらパー!」枚方公園を通過・・京と大坂の「歴史絵巻」を楽しむ「観光列車」の趣・・見所が多くて退屈しない・・「文化住宅」発祥の香里園まで来ると我然、大阪のニオイ・・なんでやろ?・・つづく


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The LEE Osaka downtown(小さな大阪の宿・大阪の民宿です)http://pension-lee.net/