京都、大阪? どっちやねん(その4)

「秀吉の塔」があるだけの頂上は秀吉ファンの妄想場所として最高の佇まい。「秀吉の塔」だけが、にゅっと立っている。ここに先客。京都には少々不似合な初老の男性二人・・汗をぬぐってる。秀吉ファンのようだった。しばらくすると汗がひき、寒くなってきた・・さあ、下山!

ム・ム・ム・・下山する太ももが笑い出した・・京都在住・女子漫画家の足取りを注視した。登りでは口もよう動いて元気あったのに、下山では終始無言・・心なしか足全体がカックン・カックン、なぜか口元だけが笑ってる。まだお若い女子漫画家は、そのカックン・カックンを悟られまいと、苦笑の様子・・ボクの太もも笑いが止まらない・・

やっとこさ、京都女子大の校門前までやってきた。ちょっとくたびれた。すでに夕刻、さすがに新入学生の姿はまばら。ところが、京阪七条につづく女坂には、いまだビラまきの若い男女。何をするでもなくたむろするように列をなしている。歩道が狭く、ところどころで肩がぶつかりそうになる。道を譲ってもらわないと前に進むことができない。

京都在住・女子漫画家は京都歴約6年。こんなことを口にした・・

「ここを歩くわたし、なにか場違い・・なんか気恥ずかしい〜・・どんな顔して歩こか迷ってしまう」・・なるほど・・「女坂」を歩けば時として感じる場違い感・・大阪人は、ひとしきり考え言い放った・・大学の研究者風に歩いたらええんちゃう・・これは昔、知人の京都女子大の先生から聞いたアドバイス・・

胸を張り、そのように研究者然として歩く。若い男女らのほとんどは約5メートル手前で不思議と道を譲ってくれる。学生の街・京都のこれがいい所!・・大阪のアメリカ村で同じことしたら、張り倒される・・いや、近ごろ夜の京都は河原町・・たいしてかわらんやろ? 京都、大阪? どっちやねん・・つづく

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