京都、大阪？ どっちやねん（その３）

京都女子大の付属高や短大・４大など、数々の校門前を過ぎると人影がまばらになった。その先は小高い山の頂「秀吉廟」へとつづく石段。あたりに人影なく、車道もここで途切れる。頂上の「秀吉廟」にとりつく石段のスタート部分は、奇妙な「場末のいい加減さ」が漂っていて・・これは京都の雰囲気でも、大阪の雰囲気でもない・・秀吉が、大阪と京都をあっちに行ったりこっちに行ったり・・まさに、「どっちやねん」とでも言いたげな・・曖昧模糊とした広がりをもっている・・

石段の上がり口には「一名につき５０円」を治めるようにと但し書き・・「筒」がぶら下げてある・・あたりに目線はなかったが、京都在住の女子漫画家に「大阪人のドケチ」と、ネタにされてはいけないので、ちゃんと二人分・百円玉をポトリと入れた。約５００段・・石段登りがはじまった・・

不規則な高低あり、ハイクラスな段差？あり・・なかなか手ごわい石段・・まっすぐ一直線に延びた石段は、なんのシャレもなく、ひたすらまっすぐ空に伸びている・・そんな錯覚すら覚えるスゴイ石段・・ふと横を見ると、女子漫画家の息が切れている「勝った」・・彼女は若い・・意味もない喜び・・

秀吉が彷徨している・・そんな雰囲気まんまん！　いまにも亡霊が出てきそうなパワースポット的石段・・かなりしんどい登り。休まず、一気呵成に頂上へ、女子漫画家はヘロヘロ・・

「秀吉廟」から、はるか下界に「清水の舞台」が見えた。その向こうに、確か「祇園石段下」という場所があったなぁ〜京都には・・あっ！そうか！！　秀吉は毎日こうして清水の舞台や京都市街を見下ろしながら眠っているのか・・『秀吉石段下』・・実は京都は『秀吉石段下』なんや・・うっそうとした樹林の隙間に覗き見る、すました京都・・京都と大阪の境目はどこにある？　ふと、そんなことを思った・・つづく

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