続/秘境・大阪のたのしみ方(その2)

大相撲の当日売り自由席、もっとも安くは2千円(どの場所も、僅かではあるがこの設定がある)。大阪では、朝早めに行けば、ほぼ入手可。思いのほか安い。見に行くのは午後から改めて「ゆっくり」でよい。

この2千円の席、両国国技館では見心地が悪く入手も困難。お勧めできないが、大阪府立体育館の土俵は何せ近い! この2千円の席でも充分楽しめる。それに、ここからが秘境・大阪の本領・・組み立て式の客席下ではビックリするような光景が繰り広げられている・・

府立体育館では、お相撲さんがウオームアップするスペースが極めて限られている。で、ほぼすべてのお相撲さんは、土俵に上がる前このスタンド下で四股を踏み汗を流す。客席と一体化しているそのスペースには仕切りが無い、まるで当然のように。例えるならば・・甲子園球場スタンド下のブルペンが無条件に解放されているようなもので、いま正にマウンドに上がろうとしている藤川球児、そのほとばしる投球練習・光景がスグ目の前にある!・・その迫力は半端ではない。

まわし姿のお相撲さん。取り組み前、その裸一貫の姿は無条件に美しく、ある種の人間の刹那も感じ、表現できない魅力にあふれている。ある相撲通の方に聞けば、このようなルール違反な?「楽しみ」があるのは、ここ大阪の春場所だけらしい。大阪場所は昔から「荒れる春場所」と表現されるが、その大きな理由は・・ファンとの仕切りがまったく無い「様々な場所風景」にも由来するらしい。

ちょんまげ姿(大銀杏)の頭からは「びんつけ油」がプーンと香ってくる。緊張して四股を踏む隆々とした多くのお相撲さんを見れば、老若男女・諸外国の方々・・だれかれなくワクワク・ゾクゾク・・言葉など分からなくても、どんな人間でも感じるモノがある。裸一貫の人間のごつさだ

実力者でも、あまりにファンとの距離が近く集中できず、番狂わせが起きて「荒れる春場所」。この日も確かに荒れた。さすがは秘境・大阪! その光景は・・明日につづく

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