かりんとう

大学の先生やその道のプロをお呼びして、お話を聞きいて取りまとめ「まちづくり」や住宅・観光といった分野に反映させる。昔そんな仕事をしていた。

それら分野を考える上では、一通りではない様々な分野の「お話」をお聞きすることが、その街やこれから開発しようとするマチの参考になる。だから、お呼び立てする先生方には「なんで?」と問われ、不安がられることも多々あった。

例えば・・安藤忠雄さんに住宅や都市の事をお聞きするのはまったくプロパ―な話で苦労はない。だが、「リング・らせん」の鈴木光司さんに、その種のお話を引き出そうとした場合は、少なからず工夫がいった。公演活動を生業とする“専門家”はいざしらず、有名人でも他所に赴き「話をする」ということは不安なことだ。

しかし、事前説明や調整が過ぎると話そのものが光を失ってしまう場合もある。そこらの調和・コーディネートが難しい。いま、その立場が入れ替わり、遠方でお話させていただくことがママある。

40名ほどが集まったその寄り合いは「地域の観光戦略」についてだった。90分ほどしゃべり、質疑応答の場面に移った。口火を切った方が「手っ取り早いネーミングの仕方」について質問された。その寄り合いには参加者名簿が準備されていなかったので、勝手に「地域の観光戦略」に、思いのある方々、その有志の集まり、と、勝手に考えていたから・・

いまどきの観光や場所の力を引き出す場合に「手っ取り早いネーミングなどあり得ない」的な返答をした。バブル時代のイケイケドンドンの観光はどんどん廃れ、いまどきの観光には「地霊」の尊重が何より重要で「手っ取り早いネーミングなどあり得ない」時代だからだ。

その方は、下を向いてしまった。

寄り合いが終わり、主催者に聞いた「あの質問をされた方は、どんなご商売をされているのですか?」・・「かりんとう屋さんです」・・

しまった!

はやり廃りが早く、地霊や不易流行にこだわりすぎると商機を逸することが頻繁にあるらしい菓子商材の場合、スピードが勝負。と、ある有名な「その業界のプランナー」から話を聞いたことがある。スピードよりもジックリが求められるマチ歩き系のいまどきの観光とは、似て非なり。

ご商売を先に聞いてから質問を受ければよかったが・・後悔先に立たず

そういえば、この「たぶん日本一小さな宿」の一階、胡麻ショップ(縁あって、胡麻を売っている。ゴマ油も売っているが“油”を売っているいるわけではない)の人気商品にも、それぞれにネーミング秘話がある。と、聞いたことがある。しかし、そのネーミング秘話のそれぞれは、余りにおかしくって吹き出してしまう秘話がほとんど。

ことほど左様に、スピードが求められるネーミングには滑稽がつきまとうらしい。胡麻ショップでは「胡麻の特製かりんとう」も売っている。

あの寄り合いで質問された「かりんとう屋」さんには、この場を借りて、伏してお詫びする。とんちんかんですんませんでした。

しかし・・ここで売っている「胡麻の特製かりんとう」のネーミング秘話は、やはり明かせない・・おもろすぎるから・・おもろすぎる「おもろまち」・・来週の沖縄行きでは那覇空港からモノレール(ゆいレール)で「おもろまち」で降りよ・・なんの脈絡もなし

京都・大阪の旅 http://www11.ocn.ne.jp/~pen-lee/   
The LEE Osaka downtown(小さな大阪の宿・大阪の民宿です)http://pension-lee.net/