「山分け」より「お裾分け」を

気になる言葉づかいある。ちかごろでは頻繁に見かけるようになったので、余計気になる。

株式上場もしている大きなネット通販系会社やカード会社で頻繁な、「○○ポイント“山分け”キャンペーン」という表現だ。

山師の“山っ気”、盗賊の盗品分配をドラマチックに表現する言葉として一般的な“山分け”なる言葉。上場企業や公的機関が一般向けに使うには、どことなくけったいだ(大阪弁で「少々おかしい」の意)。

ごく最近も、大阪市営地下鉄のカードシステム「ピタパ」の販促勧誘の車内広告として「○○ポイント“山分け”キャンペーン」が掲示されていたが、安全と信頼を売るべき公共交通が、“山分け”か、と少々陰々滅滅とした気分になった。橋下市長にケツをたたかれた失言でもあるまいに・・

日本語は美しいと思う。それぞれの適性によった言葉が数多く用意されている。その言葉と表現があるからこそ、四季それぞれの移ろいや、たとえば日本食の微細な味わい、一神教にはない融通無碍な心象表現も可能となる。そのようなニッポンキャラクターがジャパンクール(日本はカッコいい)として、新しい市場さえ誕生させている。

“山分け”か・・わからんわけでもない・・が、この無骨な言葉使いを聞くたびに「是か非か」、理由もなく二つに一つを選択させられているような、いまどきの窮屈な社会を連想してしまう。

IT社会もIT系の会社も、既に市民権を得て久しい。そのチカラが偉大であることは、もう誰もが認めるところだ。だとすれば、この国の可能性をもっと世界に売り込んでゆく最先端になってほしい。心からそう思う。そのような所から、連日のようにメールが届く・・「○○ポイント“山分け”キャンペーン」と。残念でならない。やっぱり、なにか、けったいだ。

極めて限定的な市場、もう可能性のない所(国)から分捕ったモノを、まさに“山分け”しよう。といった、夢も希望もないスカタンに聞こえてしまう。

・・「お裾分け」・・こんな言葉もあったなぁ〜。“山分け”には少々抵抗があるが、お裾分けは大好きだった。

インパクトないか・・?「お裾分けキャンペーン」では?

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