天神さんの年末風景

この、たぶん日本一小さな宿は天満の天神さんのまん前にある。大みそかテキ屋のおっちゃんたちの店が大童で準備しているし、天満天神繁昌亭(落語の定席・寄席小屋)が迎春準備に忙しい。

もちろん天神さんの境内もお正月のしつらいに余念がない。拙宅でも、連れ合いが3〜4日前からお節料理の準備で、むちゃくちゃ気合が入っている。横から口をはさめない。

京都のような艶やかさはないし、東京のようなわざとらしい晴れがましさもない。ここ大阪の迎春準備に感じるのは、日本のどこの地方都市にも共通する、ごく普通のニッポン、そんな塩梅だ。

それにしても、近ごろ感じるのは道理のない屁みたいな理屈が多いこと。テキ屋のおっちゃんたちの準備風景を見ていてつくづくそう感じる。

テキ屋は古来伝統的な業種であり「その筋」的血脈を引いていることもあるらしい。この商売の事細かを知るわけではないが、その来歴と文化的な脈絡を考えれば、そのような歴史的背景を持っているからこそ、日本のお祭りや慶事になくてはならない「街の風景」に育ち、受け入れられている。

しかし、今年取り決められた「その筋向け」の法律は、ちょこっとでも「その筋」に関係するミッションには、目くそ鼻くその類にまで、一切利益供与してはならないことになった。

が、これを厳密に摘要・運用すれば、テキ屋に道路使用許可を出す“当局”そのものが法律を無視し利益供与していることになる。テキ屋のおっちゃんたちは、古来伝統的に「その筋」的血脈を引く商売なわけだから。

規範めいたことをやたらめったら法律化しても、世の中が余計に息詰まるばかり。慣習法的な遊びシロを残しておかないと世の中、隅から隅までぎすぎすしてしまう。庶民のささやかな楽しみは頼むから潰さんといて。

ボクはドジョウです。と、庶民ぶったトップはそれ以降、ほぼまったく肉声のメッセージ出さなくなったと思っていたら、この年末のどさくさに消費税アップの方針だけを取りまとめた。まるで、泥の中に潜ったドジョウ。どっちもなんだか、卑怯だ。

でも今日は大晦日。今日よりも明日、今年よりも来年を信じて!!

京都・大阪の旅 http://www11.ocn.ne.jp/~pen-lee/   
The LEE Osaka downtown(小さな大阪の宿・大阪の民宿です)http://pension-lee.net/