29800円の海外旅行 その1

LCC(格安航空会社)と中国。「観光」を教えるわが身にとっては体験しておかなければならない重要なテーマ。LCCについては神戸空港を拠点とするスカイマークに、すでに数回ほど搭乗した(そこそこ安いが記憶に残るもの皆無)。中国については恥ずかしながら、行ったことがなかった。そこで先日、思い立ったが吉日とばかり、いま中国格安ツアーの定番商品「無錫・蘇州・上海4日間の旅」に行ってみることにした。その印象は、強烈!の一語。面白おかしく、ちょっと考えさせられる内容が山盛り。忘れないうちに書き綴ることにする。

まずは、関空〜上海間の航空便。格安ツアーのパンフレットでは使用便として様々な航空会社が記入されている。しかしその記述中の「最低」が、ほぼあたり前。いい条件の便を使うことは皆無ではないが、宝くじに当たるほどの確率と思って間違いない。で、当日の便は「上海航空」だった。事前にネットで調べてみた。先ごろ、中国東方航空だったか、南方航空だかの子会社になってその評価著しく「低空飛行」とある。機内食に至っては「食すこと、荒業」的表現が散見される。はたして如何に?

この格安ツアーで使用されるのは上海航空 FM822(FM802にあらず)、この便の定刻発は19時25分。ツアーの手引通り余裕を持ってカウンターに到着も「ガ〜ン!」・・「機材(飛行機)の都合で2時間以上の遅れ」とだけある。関空から上海までの飛行時間は2時間とちょっと。ということは、ボクが乗る飛行機は、「まだ上海の巨大空港でお昼寝か」と愕然。

関空では、この上海航空のカウンター業務はANAに委託されている。ANAの搭乗手続き係員が「神様であるお客様」に、丁重に「ミールクーポン 千円分」を配布しながらスムーズな作業ぶり。その手際よさに文句を言うのも忘れ、関空内の551に走り、豚まんとビールで空腹を満たす。が、ふと気になった。あの手際よさ、いつもこんなに遅れているのか、と。海鮮焼きそばも食べ、空腹をゆっくり満たしたが、それでも飛行機は関空にいまだ無し。

仕方ない、出国手続きをして免税店で暇つぶしだ。「関空から直接ホノルルに」のハワイアン航空のクルーがいた。よ〜く観察してみるが中高年クルーばかりが目立つ。デルタ航空のクルーも免税店を物色している、こちらも注視。なんと、ハワイアン航空よりもっと高齢のクルーばかり。この年齢で機内のハードワークが本当に果たせるのだろうか、と疑問が浮かぶ。しかし考えてみれば、ニッポンの海外旅行者は若者より、中高年で占められている。クルーが敬ろう年齢であることもサービスのうちであろうと、妙に納得。

免税店で時間を潰すこと一時間半、もう午後8時。上海浦東空港からの上海航空FM822便(上海発15:25⇒関空着18:25/FM821の折り返し便)は、いまだ関空に現れず。・・その②に続く