ニッポン人で満室

たぶん日本一小さな宿である。満室といっても多寡が知れており、笑われてしまうのがオチだ。その満室風景だが、この夏は久しく無かった、ニッポン人で満室がたびたび。

以前なら、客室の全てがあっちの国、こっちの国と文字どおり満艦飾だったが、昨日のブログ「ニッポンの魅力」で書いたような理由から、外国の旅人は来なくなった。1ドル75円も、日本人がニッポン国内を移動するだけなら影響はない。

ところが、昨日宿泊されたご仁は、大学卒業後の就職に奔走されている、ある地方の国立大4年生がたまたま重なった。聞けば、地方に民間採用の枠はなく「大阪で走り回っています」とのこと。

この円高で、製造業の海外移転が加速する。大阪はおろかニッポン中で職が無くなりつつある。若者の新卒一括採用という風景は過去のモノになりそうだ。

宿泊してくれた学生さんのひきつった顔を見て、思わずお向かいの天神さんに走り手を合わせた。苦しい時の神頼み、お前が祈ってもどないもならん・・と、言うなかれ! 苦しい時には神頼みに限る。