中之島一周クルージングガイド

毎日新聞の旅の連載「旅・まち・発見」はすでに3年目。この間、北は阿寒湖のアイヌ民族・秋辺さん。南は沖縄・伊是名島のAさんまで、様々な現地取材をさせていただいた。旅先で聞くその地、その地のお話は、すべてが「違い」で彩られている。ニッポンの魅力の多様性に、いまさらながら感心し感嘆している。

そんな気分にちょっとでも親しんでほしいと、学生を引き連れ学外授業に赴いている。遠くに出かけなくとも、地元のそこここに、少しづつ違った「魅力」が潜んでいるものだ。その違いを「かぎわける」ことができると、20前後の短大生も、何かしらの収穫を感じ顔つきが変わる。目がヒカル。

これを、ブログなどにシンプルに表し「公と私」の表現手法に配慮しながら、広く一般に紹介・公開できるようになれば、ほぼ社会で通用するチカラが身につくから不思議なものだ。昨日も、そのような目的で「新しくなった大阪駅と長距離バスターミナル⇒どでかい本屋さん⇒天神橋筋商店街中之島・剣先⇒八軒家の浜からクルージング(中之島一周)⇒大阪城の港⇒大阪砲兵工廠跡⇒大阪城天守閣」を、朝の10時から歩きまわった。もう若くはない、足が痛い。

旧知の友人、大阪水上バスのNさんに無理を聞いてもらった「中之島一周クルージング」では、普段の航路にはない淀屋橋以西の土佐堀川堂島川を満喫。船上から眺める「都市の表情」にダイナミックな、また違ったOSAKAを発見した。

それにしても思う。観光ガイドは難しい。聞く側の「興味や事前の知識」に応じ、ガイドの内容を変化させねばならないからだ。例えば、日本の歴史をまったく学習していない外国人に、「江戸時代前・・」「豊臣秀吉が・・」等々、具体的な説明をしても何の事だかさっぱり理解できない。ここは、その人が暮らす国の「時代」に対応した解説や(秀吉の説明では)、日本有史以来、初の「農民出身のサムライ時代の日本のトップ」・・といった具合に噛み砕く。

船上の心地よい風に誘われて、まだ本調子ではない喉をかばいつつ、龍角散を飲みながら少々ガイドを試みた。いまどきの学生マインドに焦点をあてたガイドだ。結構気を使う。

堂島川の流れ、中之島中央公会堂が美しく見える前あたり、ロックミュージック好きのある学生が言った「ぼくら、外国人とおんなじレベルやなぁ〜」。「そんなこと、最初からわかってる」と、大声で反応しようとしたが、まだ喉は本調子ではない。ゴホン・ゴホンと咳きこんだ。

観光による地域活性化、その成功の条件は「若者、よそ者、バカ者」の存在にあるとは、いまでは有名な格言だが、この学生を見て、また認識が深まった。規格外の学生はおもろい!! 学生らと共に、もっと旅に出よう!! ボク自身、いつまでもバカ者でいたいと