サンデー毎日さんシッカリね!

東北大震災の初動期の復旧で、関西広域連合奈良県を除く近畿エリアとその周辺の府・県)が阪神淡路大震災の復旧・復興の経験も生かし、献身的な活躍をしたことは「大きな報道」には載らず、針の穴のようにささやかに紹介されたにすぎない。

兵庫県大阪府京都府和歌山県、等々それぞれの自治体が、甚大な被害を受けたそれぞれの地区を個々に割り振り担当がダブらないよう迅速、果敢に行動したことは称賛に値するが、首都圏でこれを知る人は少ないようだ。関西広域連合のこの度の動きは、大災害時の「お手本」。困ったときには「お互い様」と、もう少し報道されてもよかったのではないか、と考えていた。

ところがどっこい、あれ? あれれ? そんな時、今週号のサンデー毎日「有名らしい作家さん」の連載コラム・・この「関西広域連合」のことを、ボロかすコテンパンに口汚く罵っている。

・・曰く、「(広域連合という)名前がヤクザ同然だ」「関西人の方言は目ざわりだ」「震災を期に首都機能補完を狙うひどい奴らだ」等々・・まぁ、どのご指摘もそう言われてみれば「そうかなあ〜」とも思わなくもないが、いささか下品に過ぎるのではないか。さらに、関西に恨みでもあるのか思われるほど感情的になっているので、広域連合の本来的な目途をご存じないのだろうかと、悲しくもあった。

自治体の主体的判断の下に速やかに行動できるこの度の「緊急時対応」や「地域政策の独自性確保」など、硬直化が激しい中央集権型の統治システムに抗し、もうかなりの時間を費やして検討を加え活動をしてきた「広域連合」なのである。一説によれば、松下幸之助さんがお元気なころ、すでにこの「広域連合」の原型について提案されていたというくらいだから、着実で息が長い「一地方の切実な願い」であることは言うまでもない。

そのような「広域連合」に、この有名らしい作家さんは無知なるが故か? 「これでもか!」というほど語彙稚拙な悪態をつかれた。サンデー毎日も「広域連合」の「それ」知ってか知らずか、その悪態をそのままに掲載してている。

「広域連合」は関西を如何するための道具ではなく、多様で重層的な地方を数多く持つ「日本列島の知恵」として必要な地方分権の第一歩なわけであるが、サンデー毎日のこのコラムを読んで、いまあるシステムへのノスタルジーが「あぁ、これほどまでに強いのか・・」と、滅入ってしまった。

ふるさと九州を出て、いま東京で成功を収めているらしいこの作家さんの故郷に想いが巡った。