続・チャオプラヤで見たテレビ

3/11、バンコク市内。場末の中華店で遅い昼食。斜め向かいに座っている日本人グループが昼食も上の空、ケータイ片手に騒ぎだした。「その直後」日本から大地震の一報が入ったようだ。北関東の人たちのようだ。

その夜からホテルのNHK衛星放送にくぎ付けになった。テレビを見る合間に町に出るといった具合。そのテレビを見ていて違和感が大きくなってきた。CNNにBBC、なんだかわからないが中国、韓国、オーストラリア、ロシア、アラブ、その他もろもろの放送局。世界各国の衛星放送は「原発」を取り上げ、ひっ迫感がある。NHKだけが牧歌的だ。

12日、益々変だ。NHKは心配ないようなことを言ってるが、外国メディアは「原発」のことで目がつり上がってる。言葉が分からない分、表情がリアルに読み取れる。恐怖感が伝わってくる。しかし、NHKは東電と枝野さんの「心配ない」を、引き続き伝えている。

夜、原発が爆発した。外国メディアは一斉に福島原発の「爆発映像」の「その瞬間」を繰り返し放映している。NHKは「その瞬間」を放映せず、事後の「写真」だけ。まるで「大本営発表」。NHK報道の気持ち悪さにおびえる。13日もそのような状況は変わらなかった。

14日、帰宅。あらためて報道をじっと見た。「竹槍でB29を落とせ」と国土防衛の大本営発表。海外で見たNHKの気持ち悪さはコレだったと気づく。

いま、「大本営発表」にもとづいて最前線で原発に立ち向かっている人たちがいる。竹槍に勝る道具が装備されていることを祈るばかりだ。