北アフリカ、アラブ諸国、北方四島

北アフリカチュニジア、エジプトに巻き起こったネットを活用した市民革命は、その後、中東のアラブ諸国北アフリカリビアへと飛び火している。これらに対し、地理的表現と地政学的・民族的表現の表し方は、日本のメディアではどう使い分けているのか? 少し気になったので毎日・朝日両新聞とテレビ報道などを改めて注視した。

乱暴なモノは、やはりこれら国々や今回の出来事を「中東」や「中東情勢」と一括表現している。丁寧なモノは「北アフリカ・中東」と“但し書き”を入れている。学校で習う地理ではチュニジア、エジプト、リビアはあくまでも北アフリカである。ところが、アラブ系民族による「諸国家=中東諸国」と表現した時点で、地理的事実である「北アフリカ」は消滅するようだ。どうもこれは、ニッポンの首根っこである「石油」だけで「中東諸国」を見る悪習に映る。日本の?報道機関の?クセか。

紅海に突き出たシナイ半島はエジプト領だが「中東戦争の主戦場」だった事は記憶している。が、やはり、学校で教える地理ではエジプトはアフリカ大陸にある。シナイ半島の東にある国家ではない。

北方四島という表現はへたくそな命名だと前々から思っている。道東・根室野付半島から見れば、これら島々は「手に取る先にある。」最果てではない。「北方四島」ではなく「道東諸島」である。スケトウタラのことだけで考え、人のイメージが無くなれば「はるかかなたの北方四島」という表現で切り捨てる。しかし現実には、昔住んでいたところに残る「墓参」もできない人たちがいる「道東諸島」だ。

同じように、「石油」のことだけを考え人のイメージが無くなって北アフリカは「中東問題」で一括されている。このようなことは「オキナワ」にも通じるセンスで、ニッポンの急所のような気がする。