おまけ商法に見る無縁社会

おまけ商法にはなかなか味があって、「こどもだまし」とは言い難い人間的な「縁」を感じる。町の横丁にあった駄菓子屋では、お世話になりすぎるほどお世話になった。こっちでもない、あっちでもないと「当たりクジ」を選ぼうとするうち無我夢中、時間を忘れ、小便ちびって迷惑をかけた。当たるはずもない「カメラ」が、なぜか本当に「アタリ!」店の中で腰を抜かしたこともある。

大人になってからも「あたり!」が出たら「もう一本」のアイスバー。同じような「あたり!」に、カップラーメンなどもある。おさな心をかきたてられ、おっさんはついついリピーターになってしまう。ほほ笑ましい光景?

これと対角線上に「ポイントサービス」なるものがある。いかにも「今的」、スマートではあるが少々「ちと、やりすぎでは?」の疑問にも出くわす。最近そんな事例に続けざまに遭遇した。

ひとつは、古本を買ってポイント5倍・10倍なる商法。この店、以前は適正な価格で古本を現金販売していた。しかし、自社カード発行のキャンペーンを店先でやりはじめた途端、なんと、肝心かなめの古本価格が突然数倍にも跳ね上がった。「ポイント5倍・10倍」のうたい文句で錯覚させる魂胆が見え見え。この「おまけ」は高くつきすぎて、もはや「おまけ」とは言い難い。いまひとつは・・これもカードがからむセコすぎるビジネス・・ここに書くのもはばかる内容。「こどもだまし」せこい! の一言に尽きる。

リーマンショック以後「無縁社会」という表現が「はやり言葉」になっているが、そのショックの根源はアメリカの「カード社会」の矛盾そのものだったはずだ。しかし、このところのカード会社の営業攻勢は、小さな横丁にも及んでいて怖い。

いつもニコニコ現金払い。ちょっとした「おまけ」ひとつで「縁」ある社会。・・貧乏人はカード社会になじめそうもない。