JALのデザイン

ロゴ表記にある「三文字」のど真ん中、しかも物事の始まりを指す「A」の部分に、まるで刀で切り裂くような「傷跡」、日本航空・JALのロゴだ。おまけに尾翼マークも、どう見ても「欠けた太陽」が「さらに寸足らず」・・およそ、ナショナル・フラッグ・キャリア(その国を代表する航空会社)に相応しくなかったJALの機体デザインが改善されるとの報道に触れ、ホッとした。

社名や国旗を傷つけたり欠けさせたりの、このデザイン。空港で見たときのインパクト、美しさの点からも不思議だった。それらはまるで、「JAS(旧・東亜国内航空)との経営統合は、うまくいかない」ということを声高に叫ぶかのような、「傷と欠け」だったから。

それぞれの国の旅客機に交じって見る「鶴丸」は、いかついデザインやドギツイカラー、野暮な色彩が多い中にあって、流麗でありながら「よく目立つ優しさ」がある。それはまるで「茶の湯」であり「生け花」に似た美意識と気品に満ちている。海外の飛行場で見るその姿は、なおさら一層の安心感を与えてくれた。いまに言う、ジャパンクールそのもの。それがやっと復活する。ワケもなくうれしい。