神様の競争も激化の一途

秋が深まると七五三さん参り。それが済むと天神さんの境内は新年用にしつらえを変える。年末から年始にかけての場面変化の妙は、毎年同じことを見ていても「さすが」と感じる。四季折々、季節変化のその時々で、ものの見事に場面が変わってゆく。そのすべての行事に歴史と伝統がある。舞台変化の妙が楽しい歌舞伎や文楽が発祥した下地は、このような日常の「あたり前の風景」から由来する。と、勝手に納得している。

で、本日からは「えべっさん」だ。 西宮戎に今宮戎。この辺りでは堀川戎が通り相場、だった。ところが、天神さんの境内にも立派なえべっさんの社がある。ながらく「えびす講」の行事そのものだけが中断されていた。が、5年ほど前から復活し今年も今日、宵戎を迎えた。「商売はんじょ♪ で♪ 笹もってこい♪」

ところが、堀川戎と天満の天神さんは歩いて10分もかからない目と鼻の先。エビスさまは海との関係が深い神様なので、昔海に近かったこの近辺では元来から戎宮が多い。最近のパワースポットブームもあってか、「えべっさん」の行事化は、あっちでもこっちでも力強く華やかさを増しているようだ。エビスさまも忙しい。

ちなみに、宵戎、十日戎、残り福と三日間のえべっさんが終わると、天神さんの境内では節分に関連する様々な行事にしつらえを変える。見事だ。盆梅展も開催される。梅の香を楽しんでひと時を過ごせば、次には春がやってくる。そんな塩梅。

何気なく過ぎてゆく四季。その折節にある賑わい。人の一生ははかないが、この繰り返しを毎年そばで拝見させていただくと、うまくいかない人生であっても、愛おしい。この3日間、超多忙なエビスさまに感謝!!