JR大阪駅の大屋根

高い高い新東京タワー東京スカイツリーの話題性と比較すれば低すぎるか? しかし、JR大阪駅のホーム全体を覆う見事な大屋根がほぼ完成し、ド迫力で壮観だ。惜しむなくはこの会社の閉鎖的な体質が影響してか、この大屋根の壮観さをメディア全体で広域発信する「広報のセンス」が見えてこない。高かろうが低かろうが、あっちもこっちも同じ公共的施設、残念やなぁ〜

残念といえば、大阪駅の「待ち合わせ名所」が消滅してしまい、大阪不案内な人にとってはこの上なく不親切なこと。昔、大阪駅の待ち合わせ名所といえば「噴水小僧」が有名だった。どことなくほっとできる雰囲気が「この小僧さん」周辺に醸し出され、少々待ちぼうけを食らっても大丈夫! 待ち合わせにはうってつけのありがたい名所だった。その噴水小僧がどこかに消え、待ち合わせの場所にと駅南側に大きな砂時計が設置されたが、これも先ごろ撤去され、いまは無い。出会う場の「名所」が駅から失せた。

大阪駅全体「これでもか」というありさま。すでに空間という空間はショップで埋め尽くされてしまった。息もできない。あっちにもこっちにも、商業店舗を隙間なく埋め込むことにかけては抜け目なくデザインされている。しかし、この見事な大屋根に負けることのない「待ち合わせ名所」は、どんな具合に用意されるのだろうか? 長距離移動の公共空間「駅」には「無用の用」が必要だ。消費ターゲットにこれほど徹底されると、いたたまれない。旅するロマンが生まれそうにない。駅は、やはり駅であるべきだ。

そういえば、新大阪駅の「人相」も絶望的に切ないものがある。これ以上もなく貧相で、貧乏くさい。旅人の評判もサイテーレベル。だから、ももうひとつの大阪の表玄関、JR大阪駅の「旅に対する理解力」が気がかりで仕方ない。たしか、どこかの新聞に「小僧さんの復活」のような紙面があったような気がする。名所復活が待ちどうしい。