錦秋の京都

京都は強い!! 春爛漫のころ。ゴールデンウィーク祇園祭・・。そして錦秋の京都。京都の宿はいち早く埋まる。京都とはおよそイメージが異なるような“京都”であっても、京都市内であれば、この季節の京都の宿はいち早く埋まる。それに、NHK大河ドラマ坂本龍馬。何年か前の新撰組・・。こっちもやっぱり強い。

京都の宿の予約状況をいちいちウォッチしているわけではない。しかし「京都の宿がとれず・・」と、それはそれは残念そうに「おこぼれの予約」が入ってくる。知りたくはないが、知るはめになってしまう「京都の強さ」。ちかごろは、大阪府の知事と大阪市長が諸事もろもろデスマッチの体。

大阪駅北側の大規模開発ではナレッジキャピタルとか何とか言って、なんだかよくわからないコンセプトで再開発事業。関西国際空港はいつまでたっても浮揚しないし、大阪のメリハリのない観光対策は謎だらけ。ならばいっそ、京都州大阪郡あたりで治め、関空は「京都空港」。ナレッジキャピタルは「京都宮前」あたりで世界に売り出してみては、と不謹慎ながら真剣に思う。

そういえば10年ほど前にはこんなこともあった。・・仕方なく大阪に泊まった一人旅、一泊の女性。今日はやっとのことで予約がとれていた京都北山の宿。嵐山を観光し、その日夕刻には北山の宿に投宿する計画らしかった。ただし、「錦秋の京都」ではこのルートは禁じ手。道路という道路は人と車で溢れ出し、バスなど到底動かない(学生時代に暮らしたので、少々分け知り)。大阪人のおせっかいで「このような日に、このルートでは北山に着くのは夜遅くなりますよ」・・と、アドバイス

しかし、京都、京都と気ぜわしい彼女はまったく聞く耳をもたず大阪を後にした。その日夜8時頃、その女性から泣きそうな声で電話が入る。予想通り、「まったく辿りつくことが出来ず途方に暮れている」。今日の京都はあきらめ「“仕方ないので”もう一泊大阪のそちらで泊まりたい」と。この小さな宿と京都は思いのほか近い。京都市内あちこちを経由してバスで北山に行くより早い。何より時間が読める。“仕方なく”大阪にもう一泊したこの女性、翌日朝早く大阪などには目もくれずあこがれの京都へ飛ぶような勢いで向かったのは言うまでもない。

昨日は秋田・横手市からのお客様が嵐山へと向かい「さすがに秋の京都ですな〜、渡月橋は人波で渡れませんでした」と、感心されることしきり。10連泊中のカナダ人夫妻は、また今日も京都で「ワンダフル」を連発中!! 本日は東寺の「弘法さん」へ。

錦秋の京都にはかないません。“仕方ない大阪”で、仕方なし。