ランチにチゲ鍋とキムチの大和撫子

北の新地の南西端、サントリー旧本社近くに大きな韓国料理店がある。焼き肉も有名だが、昼のチゲ鍋もうまい。
納豆とニンニクが混ざりあったような匂い、それにコチジャンみその赤、昼食時間店が入っているビル4階のフロアー。そのエレベータを一歩出れば、まるで韓国。いまや焼き肉の類を大和撫子(ヤマトナデシコ)がほおばる姿は、すでに珍しくない。あたり前の姿だ。しかし、ここのチゲ鍋。しかも本物のチゲ鍋(偽物のチゲ鍋は似て非なるもので論外)は、匂う。昼間っから匂う。
それにこの店、座るだけで本場韓国のように、お皿いっぱいのキムチが「ドーン」と出てくる。これまた臭い、いや、匂う。旨いことは、うまいのだが、本場と同じくらい匂うし辛い、このチゲ鍋とキムチ。大阪キタのオフィース街のど真ん中、ランチタイムにいったいどんな人が食べるのか・・疑問だった。
昼前に入店し、大汗かきつつチゲ鍋を食らいながらその時を待った。入ってきた、入ってきた・・驚いた。ビビってしまった。半数以上が女性グループだ! 昔のヤマトナデシコもいるが、いま現在のヤマトナデシコもいる。しかも、チゲ鍋が来る前に、その「赤い口紅の、口元に」真っ赤なキムチだけを次々に運んでる。ビビッた! ボクは在日韓国人だ! その僕がビビった!!あの席の若い女性グループにも・・チゲ鍋が来た・・いったい、どうするのか・・こんどは、スカラ(韓国風の平べったいスプーン)で、チゲ鍋の熱々・赤々・辛々のスープをキムチと共に、次々と平らげてる。うっわぁ〜! 平日のランチやで・・
この光景を見て思い出し、考えた。昔の若者にはアメリカ西海岸・ポパイ現象というのがあった。これは韓流・チゲ鍋現象か・・さらにニッポンの未婚率の高さの一因に・・「ヤマトナデシコが平日のランチにチゲ鍋とキムチを食す、から」の一項を加えるべきではないのか、と。なぜなら、これでは今夜のデートはない。ロマンティックな夜もないはずだ、きっと。
そんなアホなことを考えていたら、近隣のテーブルから聞こえてくるでなないか、あっちからもこっちからも・・韓国ドラマのロマンティックな「あの場面、この場面」のことが・・やっぱり。韓流・チゲ鍋現象や。ほんまに、えらいこっちゃなぁ〜