ビールには、どじょう・・2010夏のふりかえり

この暑さ、暑さにはビール、ビールには肴、肴のベストテン。お好み焼きにチジミ、いい魚をお手頃価格で売る店で買う鱧、その鱧を自宅で調理し食す、おとし(完成品は高すぎるので選外)。品質の良い原材料が手に入らなくなったので難しいが、生セン。トンの冷しゃぶ胡麻だれ添え。細く細くきざんだみょうが。冷凍ではない枝豆。焼きナス。新鮮なセロリ。それに・・どじょうがうまい。
東京だったか? 名店でいただくようなドジョウではない。立ち飲みの大家、知人の新聞記者−−その記者は、毎日新聞で「大人のピクニック」という立ち飲みの長期連載をしている。飲むことにかけてはプロ中のプロ−−から教えてもらった、大阪は北浜の立ち飲みで食すどじょうがうまい!!
直前まで泳ぎ回り生きているドジョウ、それを氷水に入れ、仮死状態にして、さばく。さばき専用の包丁はぺティナイフをもう一回り小さくしたような大きさ、ぬるぬると生きたドジョウが扱いやすいよう全体に「反り」がついている。泳ぎ回っていたドジョウは、シャー、シャー、シャー、シャーと、まな板の上でリズミカルで軽快な音を立てる。「腹裂き」の音だ。一瞬のうちに、炙り加減のよさそうな「どじょう」に変身する。串を打ち、さっと炙られ、焦げ目がついて油が滴り落ちるとあっさりした、それでいて「こく」のある醤油だれに「ドボン」目の前に供される。香ばしく、小骨の歯ごたえも生き生き、小さいが食べ応えがある。うまい。この見事な手さばきと味が、一串百円未満。
丸のまんま煮炊きされたり、どぎつい「醤油風呂」で葱と一緒に釜ゆでにされるドジョウとは、違う。どじょうの味も大阪や・・ところが、マスターによれば「この技は、金沢で仕込んでもらいました」と・・どじょうの蒲焼は金沢市の近江町市場あたりが本家本元らしい。
あぁ〜、金沢か・・ いずれにしても五島列島出身のマスターが炙ってくれるどじょう。ビールとは恋人のように相性がいい。夏が旬で理屈抜きでうまかった。