京都、大阪? どっちやねん(その10)

京都在住・女子漫画家とは、歩き話だけではなく、三条と四条の間にある小さな喫茶店でコーヒーをすすりながら話もした。その際、彼女の口から発せられた、とてもクリエーターらしい発言が先の・・京都は「行きつけの寺」を与えてくれるが、大阪には、そんな寺の存在そのものがない・・という指摘と、もうひとつ・・『私が生まれたのは、まだ<青い屋根>が目に焼きつくころの香里園でした』・・というものだった・・

そんな彼女の言葉が、青い矢のようになって頭の中に刺さっていた。彼女の漫画は、町を観察し人をあぶり出し、心に残る・・そんな独特のクールさがある・・不思議な女性だ・・

・・不思議と言えば、この京阪特急も不思議なモノ、この上ない・・京都七条を出てから、紅葉の名所・東福寺。全国のお稲荷さんの総代表!・・伏見稲荷。「安土桃山時代」の伏見城付近を通る。ハッキリ言って・・京阪特急が走るこの沿線はニッポン観光の最大最高のゴールデンルート、さながら京と大坂の「歴史絵巻」・・中世から幕末のドラマ仕立ての沿線、と勝手に決めつけていたが、大阪に入ったとたん・・

・・高度成長期の象徴、香里団地、青い屋根の文化住宅、それに松下電器三洋電機・・にぎやかだった昭和・・企業城下町が通り過ぎてゆく。それはさながら、華やかなりし昭和のオンパレード。これが東京なら、「三丁目の夕日」で東京タワーでも、東京スカイツリーでも、出てきやがれってんだ!と、一転、無意味に江戸っ子弁。

それにしても、浅草に近い東京スカイツリー。唯一、東京で大好きな場所、浅草の陰影・・この、とんでもなくノッポの出現で、あの浅草の陰影は、強い強い明るさだけにとってかわってしまうのか?・・東京の強烈一点張りの明るさと高さに恐れおののく・・岩盤の上、マンハッタン島の上に建つ摩天楼・・関東ローム層は、ニュヨークに非ず・・

・・などと、ぼんやり考えていたら・・♪♪♪京橋は、ええとこだっせ、グランシャトー〜が、おまっせ♪♪♪と、京橋到着のメロディーが聞こえたような気がした(注:京阪特急内に流れるわけではない。念のため)・・つづく

京都・大阪の旅 http://www11.ocn.ne.jp/~pen-lee/   

The LEE Osaka downtown http://pension-lee.net/ 

大阪都心のダウンタウン